D子が、玄関先で大声で誰かを叱り飛ばしている声が聞こえる。ここでは、そもそも普通の会話が、叱り飛ばしているような口調なのだが、耳が慣れてきた私にも「ん?」とおもわせるような声に、やじ馬好奇心がわいて、つっかけ履いて裏から外に出てみる。
D子の前に、二人の男子が立たされて、説教されている。14~5歳くらいだろうか。まだ童顔だが、背だけ伸びてしまった、という年頃のその二人は、D子より大きい図体をおもいきり縮めて、目をぱちくりしながら、D子に叱られている。あとで聞くと、近所に耳の聞こえない女性がいて、彼らは通りがかりにその女性をちょっとはやしたてていたらしい。D子はまだ20代の若い母親だが、自分の3歳の娘を叱るのと何ら変わりない口調で、このデカイ少年たちを叱りとばしていた。近所のD子の友達もそれを聞きつけて来て、そうよそうよ、てな感じで傍にいる。ほかの通りがかりの人は、特に気にもせず通り過ぎてゆく。無関心なのでなく、ここでは大人が子供を叱るのは当然、なのだ。子供もまた、反抗もキレたりもせず、ぴゅーと大人の言うことに従う。 J夫も、ああアフリカはいいなあ、といいながら、「おい、子供、あの角でベニエ(バナナ味ドーナツ風の揚げ菓子)買ってこい」と小銭を渡して、近所の子供を使いに出している。 こんなの日本でいえば昭和初期?の風景だろうか。 学校でも、教師は「ムチ」を持っている、と話に聞いた。が、実際の学校に行ってみたときには、中学生くらいの子達が先生の背中にまとわりついたりして、フレンドリーな感じだった。教室風景は見ていないのでわからないが、少なくともここではまだ教師や大人に「権威」があり、生徒が「従順」である、ということらしい。 余談だが、私達がアメリカに住んでいたときによく聞いた話。アメリカに住むアフリカ人の家庭では、子供が十代の反抗期になって手におえないと(アメリカ版反抗期はハンパじゃなく過激だ)、アフリカに送るぞ、といって本当に1年アフリカの親戚などに預ける、すると生まれ変わったように良い子になって戻ってくる、という定番の話があった。実際、送られた子は、ほんとうに生まれ変わったように良い子にしつけられて、戻ってきた。 その子が言っていた。大人や教師に「敬意を表する」ということにショックを受けた、アフリカでハンバーガーが食べられないことよりも、ショックだった、と。「そりゃ先生こわいよ。あんなコワイ先生忘れられないよ!」 でも、なんだか楽しそうに、アフリカン・スクールを思い出していた。 #
by tytomoyo
| 2007-03-30 16:57
| 大人はエライ
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コンゴってどこ?
アフリカには、コンゴ共和国(首都ブラザヴィル)とコンゴ民主共和国(首都キンシャサ)の2つのコンゴがあります。
私達が訪れた国-J(夫)の出身国-はコンゴ・ブラザビル、人口3百万あまりの小国です。ちなみに隣国のキンシャサ・コンゴはもとのザイールという国で、地図でいうと右隣の巨大な面積の国です。 主な現地語はリンガラ語、共通語はフランス語です。 カテゴリ
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