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ゴスペル(賛美歌)のある日常

アフリカ大陸の中でも、コンゴは特に「リンガラ・ミュージック」という音楽ジャンルで知られている地域でもある。エレキ・ギターに特色のあるポップでダンサブルなリズムとサウンドは、アフリカやヨーロッパでもヒットを飛ばしている。ブラザヴィルでは、町じゅうのレストランや店、屋外ライブステージのスピーカーから、リンガラ・ミュージックは音量超「大」で流れている。

ただ、90年代まではリンガラ・ミュージック一色だったコンゴでも、現在ではテレビをつければ必ずゴスペル音楽が流れるようになった、という。コンゴやナイジェリア、コートジボアールなどのゴスペル・グループが多い。リンガラ・ミュージックをはじめ、アフリカのリズムとサウンドを取り入れた、「アフリカン・ゴスペル」である。

現在の私たちが親しんでいる、アメリカの「ゴスペル・ミュージック」自体、歴史をたどればアフリカン・サウンドなのであるが、「今」新しい現象として、アフリカでゴスペル・ミュージックが広がっている、という。それは、そのスピリットが、アメリカを始め世界各地でわきあがっている「リバイバル」(神、精神や自然に復帰する)現象に共通するもので、アフリカの国々も例外ではない、とアフリカを訪ねたアメリカ人から聞いた。そして、そのゴスペル音楽の逆輸入とカスタマイゼーションは、このアフリカの濃い~音楽世界ならではの強烈さである。

街では、教会だけでなく、そこここで即席のステージや集会がある。大勢で歌っているコーラスが風にのって響いている。カトリック教会の静かなハーモニーの歌声が流れているかとおもえば、リンガラ・ミュージックの影響を色濃く受け、ライブバンド風にアレンジして熱狂しているゴスペル・バンドもある。
そこに集まっている人々もさまざま。小さい子供からおじいさん、おばあさんまでリズムにノリノリかとおもえば、ひたすら祈りをささげている人、歌いながら子供をあやしている人、ただじいっと聴衆を見てる人、こんな音量のさなかでぼーっと考えごとをしてる(みたいな)人、携帯電話で話している人など。。。 ここでは、神を賛美すること、歌うこと、音楽に囲まれることは日常の一部で、決してイベントではない、生活の一風景なのだなあとおもう。

コンゴでは97年に内戦があった。政権の交代にともなうクーデターから起こった戦争で、ブラザヴィルでも多くの人が郊外や地方、または国外まで避難した。それ以来もう使われていない政府の建物や、まったく修復のされていない町並みが、戦後の様相を呈している。人々もかつては街中で政治論議するのがさかんだったそうだが、いまはもう政治に熱意を持てず、その代わりとでもいうように賛美歌が広まり教会が拡大した、というのも世相を反映している。

週末に、隣のコンゴ(ザイール)からゴスペル・シンガーが来ての「クルセード」コンサートを見にいった。午後から始まって、延々夜更けまで続く。写真だと伝わらないですが、スピーカーからの音量がものすごい(!)。そして、賛美歌のあいまに、牧師や伝道者もメッセージをがんがんしゃべりまくり、いえ、お話しになられる。エネルギー全開の説教である。聞いている人は「んーんっ」と声をだしてあいづちをうち、「ハレルヤ-」「アーメーン」とおもいきり応答する。

言葉と音楽でメッセージが伝えられ、リズムと身体と声で応答する。体で考えるってこういうことかなあとおもう。神やスピリチュアルなことだからこそ、頭だけで考えない、体全体で受け止めることがもっとも自然体のようにおもえる。これがまさしくゴスペルの原点です。

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by tytomoyo | 2007-05-16 11:44 | ゴスペル(賛美歌)のある日常