コンゴ入国ビザ (パリにて)

日本にコンゴ共和国大使館がないので、コンゴ入国ビザは経由したパリのコンゴ大使館で申請した。<追記:2013年より、東京にも駐日コンゴ共和国大使館(03-6427-7858)がオープンし、ビザ申請もできるようになりました。>

パリの滞在は3日間だったから、東京からパリに着いたその朝すぐに、大使館に行って申請し、2日後までにビザを発行してもらう、という手はずだった。

大使館は、凱旋門近くのパティスリー「ルノートル」の何件か先のビルに入っていた。

小さなオフィスの入り口に、コンゴ人が何人も出入りしていて、中に入ると、銀行の窓口のような壁の向こうに、コンゴ人職員たちが慣れた手つきで机に向かっている。コンゴ大使館なんだから当たり前、だろうが、日本では同郷の人間にあうことなんてめったにない夫は、こんなにコンゴ人が普通にいて、さぞや感慨深いだろう・・・とおもっていたら、J夫はいたって無関心な様子で、「あのー、この紙に書くんですね、ムッシュー?」とよそよそしい。まあこんなところで感慨にふけっている場合ではなく、ビザをもらわなくてはいけないんだ、と私も我にかえる。

鼻めがねをかけた職員が、「オーララー、ムッシュー、これはどういうこと?」と私とJ夫の2枚の申請書を片手でひらひらさせる。「出発2日前に申請に来るなんて、時間がないわね。」フランス人なみに冷ややかなお役所口調で、マダム・コンゴ人が言う。「領事に説明に行ってください、この裏の2階の奥の部屋です。ヴォワラ!」とパスポート一式、返された。

「なんで?即日発行の場合はエクスプレス料金、て書いてあるし、2日前じゃいけないの?」と私は後について歩きながら、J夫にクエスチョンマークを浴びせる。と、いきなり振り向くと、J夫が言った。「なんで?って聞かないでくれる?これから、コンゴに着いても、ずっと!」
思えば、答えのないコンゴ的フシギとの遭遇はここから始まっていたのだった。

2階の部屋の領事は、マホガニー製(かどうかわからないが)の机の後ろにすわっている、四十代くらいのしゃれたスーツの人だった。「ビザ?」と最小限の言葉で、かったるそうに私達を部屋に入れ、パスポートをめくり、「出発まで日がないのはどうして?」
「はい、旅程がどうしてもあわなくて、結局3日間しかなくて・・・」と、J夫。え~、旅程があわないどころか、最初からパリは最小限の日にちしかとってなかったけど?ビザは即日とれるからまず問題ないと、大使館に電話したときには言われたのだ。

が、領事は、「我々は慎重に審査してビザを発行しているのだ、急がせるとは何事だ」、というようなことを眉間にしわを寄せながら、ぶつぶつと、でも半ば事務的に言いながら、わりとすんなり申請書にサインをし、「旅程の事情により急いで発行」というような但し書きを加えた。これは・・・コンゴ当局と交わす、いわば儀式?か、と私もその文化をうっすらと理解し始める。

私達はパスポート一式と申請書を受け取って、後ろ足で部屋を出て、窓口にもどった。
マダムはサインに一瞥すると、「計140ユーロです。明日の午前11時に受け取りに来て」。受け取ったユーロ札を丁寧に折って金庫みたいな箱にしまい、私たちのパスポートはパラッと机の脇に置いて、同僚のほうに立っていった。
そのパスポートが明日までそのまま放置、という図がふっと私の頭をよぎったが、疑問はもたないことにして大使館をあとにした。

翌日11時、私達は30分くらい待たされたものの無事ビザをもらうことができた。待たされた間に昨日机に置いたパスポートにビザのスタンプを押して書き込んでくれただけかもしれない、とまたふっと思ってしまったが、何はともあれ、めでたくコンゴ滞在ビザを受け取りました。ビザの有効期限は、航空券に記載どおりの到着日から出発日までのきっかり2週間でした。

(注:アメリカ市民でもあるJ夫は、今回フランス出入国の際の手間を考え、コンゴのパスポートでなくアメリカのパスポートで旅行したため、コンゴのビザも必要だったわけです)

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by tytomoyo | 2007-03-30 17:41 | 入国ビザ(パリにて)


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